講釈師 酒神乃 宇佐美雅司 遅刻魔――あんなに約束の時間にいい加減な人も珍しかった。嘘つき――大きな嘘も上手だったが、とりあえずの小細工もうまかった。泥棒――どこを探してもあの人からもらったものなど出てきはしない。奪られてばかりいた。20年のパートナーなればこその知られざる“向田邦子の素顔”をはじめて明かす。 第一席 ラストシーン 第二席 夕べの残り 第三席 名前の香り 第四席 雁の別れ 第五席 触れもせで 第六席 春が来た